新聞広告の色彩学 2006.11/vol.9-No.8

 秋は遊びと色が語る
9月17日朝刊 サッポロビール 9月14日夕刊 ブルガリ 9月30日夕刊 ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク 9月3日朝刊 ミツカン
[ 拡大 ] [ 拡大 ] [ 拡大 ] [ 拡大 ]

 朝顔、昼顔の類が10月に入った東京でまだ咲いている。例年と違うようだが、花の季節感は順調なのだろうか、公孫樹は無事黄葉するだろうか、などと余計な心配をしてしまう秋。天高く空澄み渡り、地には黄葉。さて9月は青と黄のシンフォニーの広告やいかに。

 スッキリ、ゴクッと、いつの季節もかくありたいが、サッポロビールからドラフトワン公国はアベール王子のおでまし。いつもの少々とぼけた役柄のモテ男かと思っていたら、意外や凛々しき貴公子となってささげ持つビール。それだけに、もう納得できてしまう色彩の道具立てがいい。金の額縁がゆかしく権威づけて、もっとコルなら製法特許の文字は額縁下辺のネームにすればさらにピッタリ。濃厚端麗なロイヤルブルーは白と金色で、豪華で気品動かし難いトリコロールのチームをつくる。けだし男優の顔立ちがそれを引き出す役割を負っているのだが、彼のツメの白い半月も無言の健康コールをおくっているようだ。

 ブルガリの秋は遊ぶの形でビー・ゼロワン。 ダイヤをあしらったホワイトゴールドとイエローゴールドの広告はリングの造形力の勝利だ。地色が遊びに秋色の声援を送っている。黄色と白の系統色から表せば、実りの日本の秋はキッとこんな金色に落ち着くに違いない。

 ティファニーのブルーに羽ばたくリボンの白。これは天使の翼か。澄み切った青空に新しいノヴォの翼をつけたダイヤが、100年先までの羽ばたきで舞う。それはまたブライダルの花嫁の姿に重なり合っているだろう。浮かんで羽ばたいて、秋の大空は限りなく深い。

 この2つの広告が並ぶと、何とも穏やかで楽しい秋の気配だ。だいたい月名のセプテンバーは7を取り込んで9月と言っているのだから、欧米の遊び心は時間をはずれて大きい。

 秋は彩りでもっともっと楽しいヨとミツカンはおべんとキャンペーン。そのパーツ258は毎日色変わりのおべんとデザインを可能にシマース。世のお母さん、笑って遊ぼう。

もどる