ojo interview 2006.10/vol.9-No.7

藤田 明久氏
藤田 明久氏

 2000年、iモード誕生の翌年に8人でスタートした世界初のモバイル広告専門会社は、今や社員160人のモバイルマーケティング企業に成長した。機能的にデザインされた汐留のオフィスにはバーカウンターも備えたが、「私自身はお酒は飲めません。でも、社員間のコミュニケーションはとても大事ですからね」。
 慶応大学大学院で管理工学を修め、91年に電通入社。理系出身が重宝され、新聞局では電子新聞を開発。96年からはcciに出向し、ネット広告事業の立ち上げと発展に全力を尽くすなど、常に新分野の開拓を任されてきた。
 「新聞社には、真っ先にマルチメディアに取り組んだ進取のDNAがありますよね。新聞局時代の経験や発想は今も生かされていますが、気がつけばこんな小さなメディアに携わっていました」と、最新ケータイを手に笑みを浮かべる。
 携帯電話は、国内で9千万を超える生活者の「30cm以内に24時間存在する」多機能メディアに進化した。だが、M2層(男性35〜49歳)には、いまだビジネス用の通信ツールとの認識から抜け出せない人が多いと分析する。
 「ケータイの本当の魅力を知るには頭で考えるだけじゃなく、自ら体験することが必要です。若者は着信メロディーやゲームを理屈抜きに面白がっている。そんな時代を、誰もがリアルタイムで楽しめるようになるといいんですが」
 各メディアの強みをつなげていくクロスメディアの時代になり、ケータイはハブとしての重要性を増していると説く。
 「モバイルビジネスは世界にお手本がないので、我々が創っていくしかありません。それを世の中に発信していくのは、チャレンジングで面白い仕事です」
 休日には1時間ほど風呂に入りながら、ボーッと考え事をして緊張をほぐす。
 「あとは、平日に飛ばし読みした1週間分の新聞を、まとめてじっくり読んでいます。ネットやテレビで表面的に知ったニュースでも、背景や深い情報が分かると知的好奇心が刺激されますね」

文/横尾一弘  写真/清水徹

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