pick up AdVoice 2006.7・8/vol.9-No.4・5

「関心度」「印象度」「理解度」「好感度」からわかる読者の広告評価
 読売新聞の広告反響調査「AdVoice」とは、「いつでもすぐわかる」定型調査(無料)と「なんでもよくわかる」オーダーメード調査(有料)の2種類から成るインターネットモニター調査です。詳細は、こちら(http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/advoice/
 このコーナーでは、主に「AdVoice」定型調査の結果データを分析してお伝えしていきます。


 「アド・ボイス」定型調査では、広告注目率、広告精読率といった日本新聞協会の広告調査分類基準に準拠した指標に加え、今年4月から広告内容についての関心・印象・理解・好感・信頼・適合を聞く設問も定型の質問として組み入れています。
 それでは、広告内容についての関心・印象・理解・好感はどのような要因で上がるのでしょうか。
 今回は、4月から6月20日までに調査を行った約210件の中から「関心度」で複数の広告が高スコアを得た地球温暖化対策推進本部と「印象度」「理解度」「好感度」の複数項目で評価の高かった全日本空輸の2つの事例を取り上げ、データと調査ごとに回答者全員から寄せられる200以上のフリーアンサー(FA)から読み解きます。

幅広い年代で高い関心
「地球温暖化対策本部」


 対象期間中の広告内容に対する「関心度」の1位と2位はいずれも地球温暖化対策推進本部でした。1位は世界環境デー当日の6月5日朝刊に掲載された広告で、小池環境大臣が登場して、ふろしきや打ち水、すだれの利用促進を訴えています。2位の5月8日朝刊の広告では、小泉首相が家庭用燃料電池や太陽光発電パネルなどの環境技術導入を訴える内容です。これらの環境問題への提言に対して、「関心度」はともに約9割に達しました。
 スコアの詳細を見ると、5月8日掲載分では、男女の差はなく、性・年代別に見ても、概ね9割前後の関心度で、すべての年代に関心を持たれています(表を参照)。FAからも、「地球温暖化対策を政府自らが実践するのはよいことだ」(女性30代)、「公邸だけでなく、一般家庭にも環境技術を取り入れられるようにしてほしい」(男性50代)など、環境技術、環境問題への関心が見られます。

2006年5月8日付朝刊 2006年6月5日付朝刊


 6月5日掲載分では、広告内容が、生活への実践的な提案ということもあり、女性の方が高く9割を超えていますが、男性も8割超の高スコアです(表を参照)。性・年代別に見ると、男性20代では7割弱ですが、その他では8割を超えるスコアで、やはり年代にかかわらず、高い関心を持たれていると言えるでしょう。FAでは、「風呂敷を使ってみたかったが、使い方がわからなかった。具体例をだしてもらうと、実践しやすい」(女性20代)、「身近なことからやっていきたいと感じた」(男性40代)など、行動につながる回答が挙がっています。
 このほかにも、両者に共通して「環境問題は身近な関心事」「地球温暖化防止は皆が取り組むべき責務」といったFAが年代を問わず挙げられており、広告内容が読者全体の社会意識に働きかけ、関心を得ている様子がうかがえます。
 その他、「関心度」の上位には、歯の衛生週間にあわせたオーラルケアへの啓蒙を意識した広告も複数入っており、以上のことから、すべての人に向けたメッセージを、ニュース性や時機をとらえて発信する啓蒙・啓発広告が高い「関心度」を得ていることがわかります。逆にターゲットが限定される広告の「関心度」は、関心の有無がはっきり分かれるため、上がりにくいとも言えます。

知らせて 気づかせて わからせるシンプルさに高評価
クロスメディア効果も
「ANA」


2006年6月2日付朝刊


 6月2日朝刊掲載の全日本空輸は「印象度」「理解度」「好感度」がすべて9割を超える非常に高い評価を受けました(表を参照)。広告内容はANAが成田空港の第2ターミナルから第1ターミナルに移ったことを告知するもので、第1ターミナルの改修オープン当日に掲載されました。

表


 FAでは「シンプルでわかりやすい」という回答が多く寄せられており、広告の端的なコピーとあいまって、「大切な情報がよく伝わってくる」(女性50代)や「広告主の言いたいこと、読者の知りたいことが的確に表現されており、役に立つ広告であった」(男性60代)という評価につながっています。
 これ以外に「テレビのCMでも目に付いた」といった回答も多数見られました。同時期に放映されたテレビCMと広告クリエイティブを共通としたことで、クロスメディア効果をもたらし「印象度」を押し上げ、報道などでの注目の高まりが「理解度」をさらに深めたと考えられます。
 「好感度」を含めて前記の3項目とも高スコアですが、すべて女性のスコアが男性を上回っています。男性20代のスコアがすべての項目で比較的低いことが影響しており、FAを見ると、「成田空港を利用したことがないからイメージがわかない」「あまり理解できない」などの回答がありました。シンプルなビジュアルだけに、低関与者のスコアは上がらないと考えられますが、その他の年代での目立った差はなく、ターゲットには非常に高い評価を受けていることが読み取れます。
 広告注目率は、広告を「確かに見た」と答えた人の割合ですが、このような関心、印象、理解、好感などのデータとFAをあわせ見ることで、「どのように見られたか」という質的な評価も知ることができます。
 今回言及しなかった「信頼度」と「適合度」は、広告内容以上に広告主企業や商品が持っているブランド力に左右されるので、同一広告主、業種の広告同士で比較することで分析の意味を持つスコアです。データの蓄積を待って、分析に臨みたいと考えています。
(梅木)
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