新聞広告の色彩学 2006.6/vol.9-No.3

単純色は明確提言
4月14日朝刊  シャネル 4月20日朝刊  東京建物 4月21日朝刊  ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク 4月21日朝刊  マイクロソフト
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 4月下旬に長野市に行ったら、ソメイヨシノから山桜まで満開の桜世界だった。地元の人の話では、今年は桜のあとで梅が咲いたという。たしかに近郊では、まだ花をつけた梅が何本も見られた。自然には自然の都合というものがあるようだ。むしろ人間のほうが折り目正しい。新聞の色彩に春から初夏へ移る姿が表れた。初夏には単純色がよく似合う。

 単純色は決めたヨ宣言の色だ。「見なさい、私を」、シャネルのルージュ アリュールはすっくと立ち上がってそう言っている。黒空間にルージュ色を効かせているが、地色と金銀の容器についた黒の色はそれぞれに違う交響色。同調してくり返されるCHANELの文字にも交響がある。スッキリした無機的な形とゴージャスな色彩の構築の後押しに、黒地に淡く映る鏡文字という心理的演出の微妙な小技が効いて、味わい深くて見飽きない。

 明るい青とオレンジ色のこれもスッキリ宣言は、トロン・トン・トンと響きが聞こえてきそうな、「ウズウズ、はじまる。」の錦糸町オリナス グランドオープンの広告だ。その中央に闊歩するお嬢さんがもちろん主役だが、彼女の魅力シルエットを削り出しているのは、いろいろな不思議な形の白の働きで、プラスとマイナス ネガとポジ、これぞ色の働き場所。

 ティファニーのフランク・ゲーリー・ コレクションの水晶とジュエリーの輝きは、肌色にピッタリ。肌色と金属と水晶は土壌をキーワードにする仲間だから、見かけはずいぶん違うが本質では一つということだ。環境色から人間の皮膚は土壌の色に合わせることを選んだ。そこで緑は目と心の仲間に、肌が土の仲間にと、分業になった。

 マイクロソフトはびっくり仰天、駅のプラットホームがステージになった。イマジンはカップか心の歌か。心がすめば、それこそユビキタスのイメージが見えてこよう。脳とインターネットのポテンシャルはもっと大きいゾとウイシーはうれしアイシーの大集合。
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