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ojoトップ  > 特集  > 健康志向の食品と新聞広告の親和性が高い理由

特集売れている商品はどう新聞広告を使っているか ―健康志向の食品 3つの事例―

(Mon Feb 06 10:01:00 JST 2017/No.849 特集)

健康志向の食品と新聞広告の親和性が高い理由

法政大学経営大学院   イノベーション・マネジメント研究科 教授   小川孔輔 氏

小川孔輔 氏

2015年4月にスタートした「機能性表示食品」制度で、健康志向の食品市場が拡大している。健康志向の食品はどのようなコミュニケーション、マーケティング戦略をとっているのか。また、その中で新聞広告の果たす役割は何か。食のマーケティング、個々の企業のマーケティング戦略の分析にも定評がある法政大学経営大学院の小川孔輔教授に聞く。

健康志向の食品のターゲットはシニアと若い女性

── 健康志向の食品市場が拡大している背景をどう見ていますか。

  結論から言うと、健康志向の食品が市場を拡大している要因は日本人が高齢化しているからです。その結果、健康に不安を覚える人が増えてきた。男女ともだいたい55歳過ぎから健康問題を抱えます。ターゲットがシニアだということも新聞広告が多く使われる理由だと思います。
  ただ、健康志向の食品のターゲットは明らかにダブルターゲットで、シニアだけでなく、若い女性もターゲットになっています。

── なぜですか。

  「健康志向」と「安全志向」が、この層に共通しているからです。シニアの場合はその要因が「健康問題」ですが、若い女性の場合は「美容と健康」です。
  例えば、ナチュラルローソンがターゲットとしているのも、まさに都市部で働く20代、30代の若い女性です。ナチュラルローソンはコンビニでありながら、商品の選定にあたって合成着色料を使用しないことや不必要な添加物を用いないことを品質管理基準として設けたり、弁当などにも塩分量やカロリーに上限を設定しています。グリーンスムージーを最初に商品化し、ヒットさせたのもナチュラルローソンです。健康志向の食品の場合は、シニアがメーンで若い女性がサブターゲットの場合が多いですが、「健康志向」「安全志向」がその背景にあることは確かです。

広告表現が規制されていることで重要になるコミュニケーション戦略

── “健康維持をサポートすることが期待されるヨーグルト”を各社出していますが、あまり競合しないという話を聞きます。

  マーケットには「置き換え型」と「積み上げ型」があるというのが、私の持論です。ビールのマーケットを見るとわかりますが、A社の商品が売れるとB社のシェアが落ちます。それから90年代の地ビールブームに続いて、2014年ごろから小規模な醸造所がつくる「クラフトビール」がブームになりましたが、一部を除いて全国に約200か所ある小さなクラフトビールメーカーの経営はむしろ厳しくなったと言われています。ビールのマーケットは典型的な置き換え型なのです。
  逆に健康志向の食品の多くは、ヨーグルトがそのいい例ですが、健康維持をサポートすることが期待されるヨーグルトを食べ始めたからといって、今まで食べていたものを止めるわけではなく、プラスオンで購入されることが多いのです。内臓脂肪を減らしたい人と免疫力を高めたい人はニーズが違うし、今までの食べるタイプだけではなく、ドリンクタイプのヨーグルトが増えてきたこともヨーグルト同士が競合しにくい要因になっていると思います。
  近頃スーパーのヨーグルトの棚が増えていますが、あれはスーパーにとってもプラスで、他の商品の売り上げを落とすことが少ないのです。しかも、差別化されているから値引き販売の対象になりにくい商品なんですね。

── 最近の商品はコモディティ化で差別化戦略が取りにくいと言われていますが、健康志向の食品は有効だということでしょうか。

  売れている健康志向の食品の多くは、差別化に成功しているということだと思います。健康志向の食品の場合は、広告表現が規制されていることが一般商品との違いです。だからこそ重要になるのが、コミュニケーション戦略です。

── どういうことですか。

  一般的な健康志向の食品は、医薬品的な効能効果を表示することは旧薬事法(現医薬品医療機器等法)違反になるためできません。健康への具体的な効果を謳(うた)わず、商品の特性や商品の提供する健康価値を表現することが求められるということです。
  こうした食品の機能の表示を可能にしようということで、国の制度として導入されてきたのが「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」です。特に、2015年から導入された「機能性表示食品」は、トクホと違って国の審査もなく、科学的根拠を提出すれば届け出だけで機能の表示ができるというものです。トクホでは許されていなかった「ストレス緩和」や「目」「睡眠」に関する表示も認められているということで、トクホからの切り替えも進んでいます。「機能性表示食品」制度は、明らかに健康志向の食品に対してプラスに作用していると思います。
  ただ、「機能性表示食品」で許されるのも、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」といった健康の維持・増進に役立つ表現です。例えば乳酸菌にしても、免疫力強化、体脂肪低減などさまざまな効果があるわけで、時代のトレンドを読んで、どの機能、健康価値を届け出するかというところからコミュニケーション戦略は始まると言えます。

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