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STORYストーリー

新聞広告がSNSで広がっていく ── 紙拡散「よみバズ」の力 ── インタビュー( I )

Web主体で考えていた展開に
新聞広告を加えて一気にSNS拡散

ロッテ

  • ◆ キシリトールガム20周年キャンペーン
  • ◆ 幅広い層に伝えるために新聞広告は効果的と気づく
  • ◆ 広告配布当日、問い合わせが殺到

実際に手にとって見られるのが、新聞広告の醍醐味ですね

株式会社ロッテ
マーケティング統括部
ブランド戦略部 チューイング企画室
キシリトールブランドチーム
マネージャー

福田 貴司

20周年で20代の20組を起用

元々、チューインガムの会社としてスタートしたこともあり、ガム事業は弊社のDNAといっても過言ではありません。中でも、キシリトールガムは、「歯の健康」という新しい機能をガムに加えた画期的な商品で、弊社のガム事業の柱の一つです。そのキシリトールガムが、1997年の発売から20周年を迎えるということで、昨年秋から、社内横断的にキャンペーンの内容を詰めてきました。

最初、漠然としていた構想が具体的になったのは、ある部署から「世界にひとつだけのパッケージが作れるかもしれない」という情報が寄せられてからでした。

(株)日本HPの「HP SmartStream Mosaicソリューション」という技術で、1つのデザインからランダムに拡大・回転などをくり返すことで、異なるデザインを大量に自動生成できるというのです。話を聞いて、「これはおもしろいものになりそうだ」と直感しました。

この技術を活用した「COME ON! ENERGY!——噛もう! 未来に向かって!」と題したキャンペーン。音楽や芸能、スポーツなど、さまざまな分野で活躍する20代の20人(組)に、パッケージの図柄の基となるデザインの協力をしてもらい、200万種以上の“世界にひとつだけのパッケージデザイン”の「キシリトールガム〈Xミント〉」を発売する、というものでした。

2017年5月17日 朝刊 折込み

パノラマ広告は新聞表裏合計8ページサイズ(表面4ページ、裏面4ページ)の巨大サイズの別刷り広告特集。

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20組から、羽生結弦さん、土屋太鳳さん、中村隼人さん、
小松菜奈さん、佐藤詩織さんの5人が登場したパノラマ広告

外側は共通のキャンペーン告知、内側は誰のパターンかが配布された家庭によって異なるという仕掛けになっている。

パノラマ広告なら世界観を伝えられる

デザインしてくださった方それぞれに強いこだわりがあり、たとえばフィギュアスケートの羽生結弦さんだと、ゴールドと名前にある「羽」をモチーフとして用いています。

実は、PRに関して、当初はWebや交通広告がメインで、テレビ・新聞の展開に重きをおいてはいませんでした。パッケージをデザインしてくれた20人(組)を発信元とするのなら、Webなどの方が拡散しやすいと考えたからです。

ただ、20人(組)の中には、羽生さんのように幅広い層から支持される人もいるし、歌舞伎役者や相撲力士もいる。若い人だけでなく、より幅広い層に呼びかけられる人選になっているので、新聞は効果的な広告媒体ではないかと、ふと思ったのです。そうしたタイミングで提案いただいたのが「パノラマ広告」でした。

実際に手にとって見られるのは、新聞の醍醐(だいご)味ですよね。それに新聞はメディアとしての信頼性も高い。さらに、200万種以上ある「世界でひとつのキシリトールガム」の世界観を、パノラマ広告なら伝えられる。絶対にインパクトの強いPRになると思い、採用しました。

実際の反響は思った以上でした。配布の仕掛けとして、新聞販売店単位で配布地域を選定、さらに広告クリエイティブを羽生さんをはじめ5つ(5人)用意し、5種類がランダムに配られました。配布当日、弊社のお客様相談室に問い合わせが殺到しました。さらに驚いたのは、どこの地域で何が配布されているという情報が、SNS上であっという間に収集・統合され、一気に拡散されたことでした。

こうした拡散は、私自身とてもわかるような気がします。昔は、まずモノに対するこだわりがあったと思うのですが、今の若い人たちは、まずみんなの輪があって、その中にいるためにモノがあるように感じます。自分が輪の中にいるためのツールですよね。すると、ちょっとアンテナの高い人がいて、ある話題をSNSで拡散すると、「自分も」「自分も」とぱっと広がっていく。

今回のキャンペーンのような手法は、今後も新聞広告でうまく活用できると思います。広告を出稿するわれわれの側も、若者のみならず、幅広い世代の消費者が楽しんで、話題を拡散したくなるような研究をもっとしていかなければならないと思います。

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