adv.yomiuriトップページへ

ojoトップ  > 広告リポート  > from America  > 米国大統領選挙、その時の新聞広告は

広告リポートfrom America

(Mon Dec 05 10:00:00 JST 2016/2016年12月・2017年1月号 from America)

米国大統領選挙、その時の新聞広告は
金田明浩   ニューヨーク駐在

  執筆時の11月から年末にかけては、アメリカ一番の年中行事といえるサンクスギビングとクリスマスがある。しかし今年に限っては、こちらの方が大きなイベントとなった。米国大統領選挙である。

  選挙への高い注目はテレビの視聴者数にも表れていて、ニールセンの発表によると、選挙当日の開票番組の合計視聴者数は7140万人だった。オバマ大統領が1回目に当選した2008年の選挙の視聴者数、7150万人には僅かに及ばなかったが、スマホの台頭などメディア環境の変化を考えると、注目度は歴代トップの選挙だったといえよう。選挙の考察とトランプ氏の動向は読売新聞本紙をご覧いただくとして、本リポートでは投票日前後に掲載された関連広告を紹介する。

  目立ったのは新聞社も含めたメディアの広告だ。NYタイムズは、有料である同社電子版を選挙前後は無料開放し、新聞内でそれを告知した。両党のイメージカラーである青と赤の線で囲まれた広告には「全てのparty(当事者・政党)を招待します。この選挙はアメリカの歴史で最も重大な出来事の一つになるでしょう。我々のジャーナリズムを体験してもらうには、これ以上ない機会です。(一部抜粋)」というコピーで電子版へのアクセスを促した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は選挙当日に見開き2ページの自社広告を掲載した。左側は赤一色、右側は青一色に染め、それぞれの中心に「たとえ何があろうと」とコピーを一言添えた。米国のテレビ局「NBC」は、NBC NEWSとMSNBCの年間視聴者数がニュースジャンルでトップだったことを伝える広告を選挙翌日のNYタイムズ選挙特集別刷りに出稿した。

  選挙は報道機関がその責務を果たす最たる場である。特に、今回の選挙ではSNSにおける虚偽報道の拡散や偏った情報ばかり表示されるフィルターバブルの問題が露見したため、既存メディアが存在をアピールすることは社会的バランスを保つ意味でも重要であった。

  メディア企業以外でも選挙をテーマにした広告があった。ティファニーはNYタイムズに毎日、WSJには週に1、2回、小枠広告をレギュラー出稿している。普段は同社のジュエリーや時計の広告が掲載されているが、選挙当日は「VOTE!」のコピーと、共和党と民主党のシンボルである象とロバのチャームを用いた原稿を掲載した。ウィスキーブランドのジョニー・ウォーカーは11月10日付のNYタイムズの選挙特集別刷りに全ページ広告を出稿した。原稿は、同ブランドのロゴとブランド名、「KEEP WALKING AMERICA」のコピーが掲載されたシンプルなモノクロ広告だった。このキャンペーンはテレビCMの放映も選挙前日に始めている。選挙や政治に関する直接的な文言はないものの、選挙を想起させるイメージ広告だ。ティファニーもジョニー・ウォーカーも、日付との連動性が高く、社会・政治情勢と親和性が高い新聞の媒体特性を生かした広告であった。

  選挙という一大イベントにおいて、新聞が果たす役割は大きく、編集記事はもちろん、広告もその一助を担っていることがわかる。しかし現在アメリカでは約6割の人がSNS経由でニュースを読んでいて、トランプ氏の勝因の一つにSNSの活用が挙げられるなど、「選挙における新聞の影響力低下」という声も上がっている。2020年もその役割を果たすには、選挙戦にも劣らない厳しいメディア戦争を勝ち抜かなくてはならない。

金田明浩・ニューヨーク駐在

大統領選挙において、私の住むマンハッタン地区ではクリントン氏が約9割の票を獲得し、全米の結果とは全く異なるものでした。改めて、普段私が肌身で知るアメリカ(=ニューヨーク市)は、この国のほんの一面でしかないのだと痛感しました。

News & Report

〈No.849 リーディングトレンド〉

月末の金曜日に退社時間を早める「プレミアムフライデー」が、いよいよスタートする。午後3時に退社し、余暇を楽しんでもらおうという取り組みは、クールビズのように新たなビジネススタイル、ライフスタイルとして定着し、ビジネスチャンスとなることを目指している。

〈No.849 ojo interview〉

砥川 直大さん(アサツー ディ・ケイ クリエイティブディレクター)

〈No.849 読み解き読者調査〉

新製品からロングセラーまで商品が多彩な食品ですが、生活者はその銘柄をどのように選んでいるのでしょうか。銘柄の選定状況や理由、食品ジャンル別の購入パターンを調べました。

インタビュー

第一三共ヘルスケア
小さな広告シリーズ500回記念で全面広告を掲載 4コマ漫画下の小枠広告の継続の力を実感