(2012.1.30/2012年2・3月号 AD FILES)
衣料用洗剤「香りつづくトップplus」の登場感を演出 3日連続で朝・夕刊を駆使したクイズ形式広告
ライオン
宣伝部 副主任部員
松永 千秋氏
創業120周年を迎えたライオンは、「今日を愛する。」という新しいスローガンを制定し、2012年の年初から使っている。改めて第一歩を踏み出した同社が最初に市場に投入したのが、液体タイプの超コンパクト洗剤「香りつづくトップplus」だ。発売日2日前の1月16日から当日の18日まで3日連続で、読売新聞の朝・夕刊に告知広告を掲載。ピンクとブルー系統のカラフルな商品パッケージを並べた、クイズ形式のクリエイティブが注目を集めた。今回の広告出稿の狙いやプロモーション戦略について、宣伝部副主任部員の松永千秋氏に聞いた。
発売日に向け、店頭セールスを支援
衣料用洗剤「トップ」は1956年から56年もの歴史を持つブランドだが、時代に応じて改良の道をたどってきた。近年では粉末から液体へ、さらに内容物を濃縮して容器のコンパクト化というのが大きな流れ。2010年1月発売の「トップNANOX(ナノックス)」、同年秋発売の「超コンパクト 香りつづくトップ」を受けて、洗濯後もいい香りが残る性能をさらに強化してリニューアルしたのが、今回の新製品だ。「店頭でも液体タイプのフェイスが増え、特に若い主婦の方々のご購入が増えています」と松永氏は語る。
「香りつづくトップplus」のプロモーション戦略としては、競合ブランドとの激戦区だけに、「とにかく実際にお客さまが店頭で手に取って購入してくださる確度を高めることを第一に考えました」。そこで、発売日の1月18日に照準を合わせ、この商品を店頭に並べてもらうセールス活動を徹底すると同時に、消費者にもなるべく多くの場面、コンタクトポイントで情報が届くよう、工夫を凝らしたという。
この戦略の重要な道具となったのが新聞広告だった。「日付を指定して、一斉に情報を届けられる強みがあるうえに、流通現場の人たちにも私たちの意気込みがきちんと伝わり、営業サポートになると考えました」と松永氏。また、たくさんの花をあしらった可愛らしいパッケージデザインと商品名を消費者に覚えてもらうために、「記憶に残るような、長い時間接触していただけるような方法はないか、事業部や制作担当者と一緒にあれこれ模索しました」。その結果、ひねり出されたのが、3日連続で朝刊と夕刊の両方に掲載する、クイズ形式の紙面だった。
1面の小枠広告とも連動
初日の朝刊15段カラーの紙面では、「スウィートハーモニー」のピンクの容器を20個並べ、コピーは「Q:どれが本物でしょうか?」「発売まであと2日」「答えは2日後の朝刊で。」。よく見ると、「笑いつづくトップplus」「愛情つづくトップplus」などと、商品名の「つづく」の前に来る言葉が微妙に違っているのだ。同日夕刊は、1面記事下3段で、パッケージを7個並べた同様の広告。2日目の17日朝刊(夕刊)では、「フレッシュカモミール」のブルー系統の容器を並べ、「答えは明日の朝刊(夕刊)で。」。最終日は、両方のパッケージを1個ずつ並べ、「本日発売」「ぎゅっと濃密」「もっと香り長続き」「これが、新しい“香りつづくトップ”の答えです。」と、朝・夕刊で解答編を掲載した。
「やるなら思い切って今までにないやり方をして、発売を最大限に盛り上げようと思いました」と松永氏。この3日間、朝刊1面の小枠広告でも、「中面の広告を見てね。」「発売まであと2日」などのコピーで誘導する徹底ぶりだ。
新聞以外のメディアでは、テレビで発売予告のCMを1月14日から放送。WEBでは、アメブロに登録の女性ブロガー数十名に予め商品を提供したうえで、ブログでの紹介を依頼。実際にモニターしてもらった生の声をWEBサイトで簡単に読めるようにした。
さらに、発売前日、「洗濯して“香り”をプラスした機能性肌着で体感気温が3度アップ」という趣旨のプレスリリースを同社は発表し、パブリシティーでの露出も図った。
「新聞広告掲載の反響は上々です。『見ました』という声が各方面から寄せられています」と松永氏。「1月に全国各地で開いたライオンの春の新商品発表会でも、ブースにこの新聞広告を掲出して、アピールすることができました」
「今日を愛する。」という新スローガンを使った商品広告は、これが第1号。「1月3日朝刊に掲載したような企業広告も大事ですが、メーカーとしては、具体的な商品とその広告が、企業の精神を消費者にわかりやすく伝える役割を担っているのではないでしょうか」
「トップ」のDNAを受け継ぐ商品の広告が、新体制の“トップバッター”の役割を十分果たしたようだ。

