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購読者率と閲読者率 ――新聞の到達効果を測る同一の物差しとしてJ―READは、購読者率、閲読者率の二つを調べていますね。
鈴木 広告関係者は、広告の到達指標として、そのメディアにどの程度の人が接触しているのかという「閲読者率」を見ると思います。この新聞にこの個人が接触しているのか、いないのかというデータです。
一方、新聞社は媒体資料でも宅配購読世帯の構成員の情報を購読者プロフィルとして紹介しています。新聞社から見れば、自社の新聞がどういう世帯で購読されているのかが大前提になるというのは、それはそれで当然だと思います。
そういう広告会社と新聞社の視点の違いが、既成の事実としてありましたから、両方からアプローチできるようにということで、二つを調べているということです。
――購読者率は宅配世帯の購読率と考えていい?
鈴木 厳密にいえば違います。新聞の購読は世帯単位で行われるものですが、J―READのサンプリングは個人です。購読者率は、「たまたま調査対象者に選ばれた個人の家庭で取っている新聞の割合」です。先ほど言ったようにJ―READはRDDで、世帯単位でまず抽出して、その世帯の中から個人を特定するというステップで行われます。
――しかし、RDDの場合、少なくとも世帯はランダムに選ばれている。
鈴木 そうですが、仮に調査の母集団が10人いたとして、個人調査で2人を抽出しようと思えば、5人置きに選んでいけばいい。2人世帯が2世帯、5人世帯が1世帯、1人世帯が1世帯の計10人だとすると、個人調査であるJ―READでは1人世帯が選ばれたときの比重は10分の1、5人世帯が選ばれた比重は10分の5になるわけです。しかし、世帯調査では、世帯人数に関係なく、1世帯は1世帯です。もし、世帯購読を本当に正確に測定したいのであれば、世帯単位で抽出して調査をしなければいけない。
――だから、個人を強調するために“購読者の率”という言い方をしているのですか。
鈴木 そうです。世帯普及率と購読者率は概念的に違うもので、比較できないものです。
ABCの世帯普及率は販売部数をエリア内の世帯数で割った数ですから、世帯抽出と同じ考え方です。ただ、販売部数には事業所購読も入っていますから、厳密に言えば世帯普及率ではありません。
布川 日本ABC協会とも、今後はこういうお話が増えるだろうから、お互い情報を共有して利用される方に情報提供をしていきましょう、という話し合いをしています。ABCの世帯普及率に相当するものはJ―READではどうやっても出ません。「世帯普及率」「購読者率」はこうやって出した数値ですということをそれぞれ情報発信していくしかないと思っています。
――しかし、データを見る側としては、やはり比較してしまいますね。
布川 ABCの販売部数と閲読者率を比較したグラフがあるのですが(右ページ)、非常に相関度合いが高いことは確かです。
――購読者ではなく閲読者率で見たというのは?
布川 購読者率と世帯普及率を使ってもこの関係は変わりません。ただ、エリア別に観察していくと、例えば全国紙の場合、関東や関西で凸凹やABCの数値と逆転しているケースが時々見られます。
――その理由というのは?
布川 それをよく新聞社の方にも聞かれるのですが、この4年間、同じような傾向が出ていますし、J―READの調査方法ではこうですというしかありません。
鈴木 新聞によって事業所購読の割合が多い、少ないなどの要因もあるとは思いますが、あくまで推測です。われわれができることは、そうした声を真摯に受け止め、調査精度を上げていくことしかないと思います。

量と質の両面から
橋本 J―READはこの三月に四回目のデータが出ますが、まず、新聞広告のデータとして根付かせていくことが一番重要なことだと思っています。
そのためには、調査を依頼する時の説得率を上げていく手法や質問の聞き方、順序など、非常に地味な部分ですが、細部をブラッシュアップし、基本の部分をしっかり保っていくことが、今後スタンダードな新聞接触データとして成長させていくためには必要だと思っています。
鈴木 単なる媒体接触だけでなく、接触の質も最近は問われるようになってきています。J―READは個別紙単位で、七日間、新聞接触に関するデータを細かく取っていますが、接触者の質も読者プロフィルを見れば押さえられる。J―READは、そもそも量と質も両側面で、新聞の広告効果を説明できる材料を作ろうということでスタートしている調査です。それが、テレビの視聴率と比較するためのデータだととらえられるのはJ―READの趣旨とはまったく違います。
橋本 掲載した広告の注目率は広告主の関心が高いと思うのですが、広告注目率を形成する要因の中で、読者の広告商品ジャンルへの関与が大きく影響してきます。よって、読者がどのような商品ジャンルに興味を持っているかを分析することが重要になってきますが、J―READは読者プロフィルという視点でこの点を説明していけるデータでもあります。新聞の読まれ方を含め、今後はこうした接触の質がより重要になってくると思います。
鈴木 新聞社にとって自社のメディアを説明する情報が大量にあることは、絶対に有利に働く。プラスになることはあってもデメリットになることはないと思っています。新聞の接触データというベーシックなデータが広く普及することによって、われわれが想像もしないような使い方が出てくることも期待しています。
新聞の広告を活性化するという意味からも、続けていかなければいけない調査だと思っています。
新聞の部数を認証するABC
(社)日本ABC協会 事務局長 南條時夫氏
会員部長 西野健一氏
会員部 広報担当兼国際担当 山田朗子氏→
読売新聞社が提供しているデータ→
個人情報の安全管理、より万全に→ |
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