今月のデータ 2003.12/vol.6-No.9

インターネットの普及とメディア接触状況の変化
 インターネットがメディアに加わって、生活者のメディアに対する接触状況は、どう変化したのだろうか。また、広告媒体としてのメディアはどのように評価されているのだろうか。読売新聞社の「一般個人調査」をもとに検証する。

図1 各メディアの情報源としての評価
図1 各メディアの情報源としての評価 【性・年代別】
図1 性・年代別
*表はエクセルデータでご覧になれます。

情報源としてのメディアの評価

 生活者は、知りたい情報を得るために、その内容によって、メディアを使い分けていると思われる。新聞やテレビをはじめとした既成メディアのほかに「インターネット広告」を加え、情報源として、「そう思う」と思われる広告媒体を選んでもらった結果が図1である。
 『企業の姿勢や考え方がよくわかる』(図1-1)は、男女とも10代を除き「新聞広告」をもっとも評価している。
 「新聞広告」は、『商品やサービスの内容を詳しく知ることができる』メディアとして(図1-2)も、「インターネット広告」に続いて、全体で2位。このいわゆる詳報性という点で、若年層(特に男性)が「インターネット広告」に高い評価を与えているのが目立つ。また、この点で女性は「テレビCM」の評価が低い。
 女性は『他の商品やサービスと比較ができる』(図1-3)という項目で「チラシ広告」を評価している。これは近所のスーパーや百貨店の催事などの広告が念頭にあると思われる。また、ここでも男性は「インターネット広告」を評価している。

広告媒体としてのメディアの評価

 それでは、人々は、それぞれのメディアに載った広告をどう評価しているのだろうか。「そう思う」と思われる広告媒体を選んでもらった結果が図2である。
 『内容が信頼できる』、『社会性が高い』、『企業に対する信頼感が生まれる』(図2-1〜3)の3項目で、「新聞広告」は1位を確保している。
 『内容が信頼できる』は、男性20代以下、女性10代で「テレビCM」の評価の方が高いが、他は「新聞広告」がトップ。また、『企業に対する信頼感』も、男性10代を除き、「新聞広告」がもっとも高いスコアを得た。
 『社会性』では、「新聞広告」「テレビCM」の二大マス媒体が突出して評価が高いが、「新聞広告」と「テレビCM」では全体で10ポイントの差、同じく「インターネット広告」とは、約48ポイントも「新聞広告」の評価が高い。
 男女を問わず、年代によって、広告媒体の評価に特徴が出たのは、『役に立つ広告が多い』(図2-4)である。1位が10代では「テレビCM」、20代では「雑誌広告」だが、30代以上では「新聞広告」であった。
 インターネットの利用状況の差が影響した項目が、『必要な情報を改めて確認できる』である(図2-5)。全体としては、「新聞広告」が一位だが、男性40代以下、女性30代以下では「インターネット広告」が1位となった(図3参照)
 広告の活用度合いによって、広告媒体の評価も異なる。女性の各年代(特に40代)は『注意して見ることが多い』広告媒体として、「チラシ広告」をあげている(図2-6)
 視覚と聴覚に訴求する「テレビCM」は、『印象に残る広告が多い』の項目で、性・年代を問わず最も高い。しかし、インターネットのブロードバンド化が進行すると、インパクトのある「インターネット広告」が多数出現してくるかも知れない。

図2 広告についての評価
図2 広告についての評価
図2 広告についての評価
図2 広告についての評価 【性・年代別】
図2 性・年代別
*表はエクセルデータでご覧になれます。

図3 インターネットの普及状況

 以上、見てきたように、接触する人によって、メディアの評価は変わる。
 どの項目も、全体的に年代が上がるにつれて、「新聞広告」のスコアが高くなり、逆に「テレビCM」のスコアが低くなる傾向にある。「雑誌広告」も「テレビCM」とほぼ同様の傾向が見られる。
 「チラシ広告」は、男性より女性の方が全般的にスコアが高いものの、商品やサービスの内容によって評価が異なると考えられ、一定の傾向が見られない。
 「インターネット広告」は、特に若年層で「必要な情報を改めて確認できる」「商品やサービスの内容を詳しく知ることができる」「他の商品やサービスと比較することができる」など実用性という点で評価が高い。
 しかし、「内容が信頼できる」「社会性が高い」「企業に対する信頼感が生まれる」「役に立つ」などの項目では、性・年代を問わず「新聞広告」のスコアが高い。
 今後、ブロードバンドの一層の普及によって、「インターネット広告」は、さらに「テレビCM」に近づいていくと考えられる。メディア環境の進化によって、生活者のメディア評価はどう変化していくのだろうか。


(宇佐美)

2003年一般個人調査 調査概要
調査期間 6月28日(土)〜7月15日(火)
調査地域 東京40km圏
調査対象 15〜69歳の男女個人
サンプル数 4,200
サンプリング 住民基本台帳を基にした二段階無作為抽出
調査方法 訪問留め置き法
有効回収数(率) 3,025(72.0%)
調査企画・設計 読売新聞東京本社広告局
実査・レターヘッド (株)ビデオリサーチ

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