AD FILES 2002.5/vol.5-No.2

シャープ
北田秀人氏 独自技術に基づいた他社にない商品を開発・提供するという「オンリーワン戦略」を進めているシャープが、ブランド力強化のためのシリーズ広告を掲載した。
 3月14日から5日間にわたり、液晶テレビ「アクオス」、薄型ノートPC「ムラマサ」、太陽光発電システム「サンビスタ」、1ビットオーディオシステム「アウビィ」、空気浄化技術を応用した「プラズマクラスターイオン家電」といった商品と技術を紹介。いずれもシャープが誇る「オンリーワン製品」だ。

生活創造企業を目指して

 一連の広告について、シャープ宣伝部長の北田秀人氏は「新しいブランド戦略のスタートを『宣言』する広告」と語る。同社では今年創立90周年を迎えるのを機に、ブランドイメージの強化を目指す「be sharp」運動を全社的にスタートさせた。今回のシリーズ広告は、対外的に「ブランドイメージ向上キャンペーンの旗頭」と位置付けている。
 北田氏は「独自の発想力で新しい生活スタイルを提案していくという企業姿勢を感じていただければ」と次のように続ける。
「今回のブランド戦略では『本流感・本物感・センス』の醸成に主眼を置いた」。その背景には、「独自性・先進性といった点では強みを発揮する一方で、本物感・センスという点で弱い」という消費者調査の結果がある。「魅力のあるブランドイメージ構築のためには、双方共に不可欠なものですから」
 このため7年前まで使用していた企業スローガン「目の付けどころが、シャープでしょ。」を復活させた。同社では98年に「液晶でトキメキのある生活」を企業スローガンとして設定、PRする製品も液晶を応用したものに限定し「液晶のシャープ」というイメージ定着を図ってきた。「液晶のイメージも十分定着してきましたので、方向転換をはかるため今回はスローガンから液晶を外しました」(北田氏)
 そこで登場したのが、新ブランド戦略の方向性と合致していたというこのスローガン。シャープと聞いて連想することの調査で、約半数の人が「目の付けどころが、シャープでしょ。」をあげたことも大きな理由だ。今後はすべての広告にこのスローガンを使用していくという。

「単位になる宣伝」を

 「これまでも単純な商品広告や企業広告はしてこなかった」。商品を通じて企業姿勢を訴求する広告展開の基本方針が「単位になる宣伝」だ。「広告は受動的なものですのでユーザーに届けるためには、ある程度の投下量に加え、共感を伴う表現が必要です。その双方を一つの単位として伝えていかなければならないと考えています」
 この考えは今回のシリーズにも生かされている。「クリエイティブに統一感を持たせ、五本で一つの企業広告に、しかも一本一本が商品広告として機能するものを企画しました」
 紙面では「AV生活」「モバイル生活」「コミュニケーション生活」「環境生活」というシャープの提案する四つの生活スタイルの中から選んだ5品目を、「真に価値のあるもの。本物と言えるもの。独自の発想力が光るもの。そんな生活革新商品ばかりを創る企業でありたい」という共通のコピーで紹介した。
 「商品ラインナップを一度に紹介するというアプローチができるのは新聞」と北田氏は話す。「新しい生活スタイルを提案していく」というブランド戦略の性格上、ターゲットとなるのは一般のユーザー。「ブランド戦略を伝える『宣言広告』を発信する媒体は、ニュース性を付加した上で様々な層にアピール出来る新聞以外には考えられませんでした」。また同時に、「社内への啓もう効果もあったかもしれません。自分が携わっていないと意外に自社製品について詳しく知らないということもありますからね」。
 ITやデバイスの不振に加え、家電分野ではネットワーク化やデジタル化が急速に進む。これに伴い国内外で大手各社の提携が活発化するなど、電機業界は激動期を迎えている。「新しいことをどのように企画していけるかということが、宣伝戦略の上でも勝負の分かれ目になってくる」と北田氏。今後も引き続きブランドイメージの向上を念頭に置いた広告展開をしていくという。



(園部)
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