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ロボット検索サイトの運営で知られるインフォシークが、昨年12月ECサイト大手の楽天の傘下入りを発表した。新たなグループ企業と今後どう連携を図っていくのか。代表取締役社長の中村隆夫氏に話を聞いた。
インターネットのポータル(玄関)サイトをめぐる集客競争が激しさを増す中で、検索サイト「infoseek」を運営するインフォシークの動きに関心が集まっている。
同社は、米ウォルト・ディズニー傘下の米インフォシークの日本法人として、ディズニーグループの強力なコンテンツを武器にした展開が注目されていたが、昨年12月のインターネット・モール国内最大手の楽天による買収で、新たな戦略へ向けて舵を切った。
代表取締役社長の中村氏は「いずれは2、3社に集約されるであろうポータルサイトのひとつになる足場が固まった」と意気込む。
リーチでgooを追い越す
現在、国内の検索サイトはヤフーの一人勝ちが続いている。ニールセンとネットレイティングスの共同調査によれば、昨年11月度のヤフーのリーチ
(※1)
は64.98%で、2位のgoo(運営はNTT―X)の20.88%を大きく引き離す。
一方、高い検索技術を武器にヘビーユーザーに支持されつつも、コンテンツの拡充に出遅れたことなどが響き五位に甘んじていたインフォシークだが「楽天のリーチは14.81%、インフォシークのリーチは17.16%ある。このうち重複するユーザーが約2.94%ですから、合わせたリーチは26%を超える」。
グループとしてのリーチではgooを捕らえたことになる。ただ、現時点での両サービスの関係はインフォシークのメーンページに楽天市場のバナー広告をはり、楽天から広告収入を得るというレベルだ。将来的には「検索キーワードに関連する商品を検索結果に表示し、楽天市場へ誘導してマージンをとるといったことも考えている」が、両社のサービスが統合されるわけではない。
だが、インフォシークにとってEC(電子商取引)サイトというコンテンツが加わったことには大きな意味がある。
ショッピング・モールやネットオークションを軸にしたECサイトはこのところ急速に成長しており、ショッピング・カテゴリーのリーチは昨年末に30%を超えた
(※2)
。ポータル各社も、コンテンツの柱としてEC機能の拡充に躍起だが、「私たちはECを楽天に任せることで検索技術の向上や広告集稿に集中できる」というのだ。
(※1)
リーチ:当該期間の全インターネット利用者の内、対象のプロパティーやドメインのサイトを利用したユニーク・オーディエンス(人の重複を除いた推計利用個人数)の割合
(※2)
ニールセン/ネットレイティングス「2000年11月度月間インターネット利用者動向調査」による
楽天のデータベースを活用した戦略
高い検索技術とトップクラスのEC機能を備えたことでコンテンツの魅力は確実に増したといえる。
しかし、ISP
(※3)
やニュースサイトなどあらゆるポータルサイトが検索機能や、チャット機能、掲示板など人気のあるコンテンツを導入し始め、もはやコンテンツの拡充だけでは差別化は難しい状況になっている。
こうした中、ブランドの確立が差別化のポイントとも言われ始めた。同社も昨年、ヤフーを意識したテレビCMを投入し話題を呼んだが、「競合各社もマス広告を強化し始めた」ため、新たな戦略を模索している。そのひとつが楽天ユーザーのデータベースの活用だ。
楽天は約160万人の登録ユーザーを抱えている。インフォシークも昨年1月から無料メールアドレスの提供などを利用するユーザーを対象に登録を開始したが、「1年間でやっと20万強が集まった」ことを考えれば大きな数字だ。
「単純に見積もって約180万人の人にリーチが可能になった。例えば、定期配信している『楽天ニュース』のようなメールマガジン形式でインフォシークに関する情報を提供すれば、低コストで新しいユーザーへのPRが可能だ」
規模がさらに拡大すれば「クッキーを使い何を調べたかをトラッキングして、ユーザーの嗜好や行動パターンを把握することもできる。プライバシーの問題など課題もあるが“検索”というコア・コンピタンスの特性を最大限活用したデータマイニングにつながる可能性もある」。
また、認知度の向上や信頼性の確保を主眼としたIPO(株式の新規公開)も視野に入れている。「来年中には実現したいが、ブランド構築という面からも、まずは利益を確保してからです」と、今期単独決算の黒字化を急ぐ。
(※3)
インターネット・サービス・プロバイダーの略。米AOLや富士通のニフティなどがこれに該当する
米国ではポータル企業が生き残りをかけ、旧来のメディアを巻き込んだ再編劇が加速している。国内でも今後ポータル企業の再編が進むことは必至だ。今後は「総合的メディアを目指す」という楽天を核としたグループ企業の資産をいかに効率的に活用していけるかが大きなカギになりそうだ。
(樋口)
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