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Pick up 定型調査

(Thu Dec 05 14:00:00 JST 2013)

省エネ技術への強い共感 「これからの消費スタイル」の萌芽
日本コカ·コーラ

 「ピークシフト自販機」をご存じですか? 日本コカ·コーラが開発したこの自動販売機は、電力に余裕のある夜間に商品を集中的に冷却することで、一般的に電力使用の「ピーク」となる日中には冷却電力を使用せずに、冷えた飲み物を提供できるといいます。ピーク時間帯の電力使用削減率は、なんと95%。
 この画期的な省エネ自販機を紹介する広告が、10月31日付の朝刊に掲載されました。

日本コカ·コーラ

10月31日 朝刊

簡潔で明快な説明が理解・共感・好感を引き出す

  同広告のJ-MONITOR調査結果の中で際立つのは、「共感できる」「説得力がある」「よい広告を出していると思う」という、読者の心理的受容度を示すスコアの高さです。「共感できる」は約20ポイント、「説得力がある」「よい広告を出していると思う」はそれぞれ10ポイント以上、平均値を上回ります。また広告興味度も業種平均を約10ポイント上回ります(表1)。

表1 広告の印象・評価・態度変容

  同広告を見る前から「ピークシフト自販機」を知っていたのは36.4%。詳しく知っていたのは1割強にとどまり、多くの人が広告で「ピークシフト自販機」の情報に初めて触れています(図1)。

図1 調査前認知

  「コカ·コーラがこのような自動販売機を扱っているとは知らなかった。仕組みに感激した。元からコカ·コーラには良い印象を持っていたが、さらにイメージアップした」(女性29歳以下)、「とても時代に合った自販機だと思います。こういう自販機がどんどん増えてくれればと思います」(男性40代)。
  これらの自由回答に見られるように、読者は初めて知る「ピークシフト自販機」のコンセプトを理解し、共感し、コカ·コーラ社の企業姿勢に好感を抱いています。そしてその理解・共感・好感を引き出したのが、簡潔で明快な説明です。
  「ピークシフトという言葉は初めて知ったのだが、広告を見てすぐにその内容を理解することができた。写真、グラフを上手く使っているのだと思う」(男性30代)、「写真もすごく分かりやすいし、図も分かりやすく、文の強調したいところに下線が引いてあったり、いろいろ工夫しているなと思いました」(女性29歳以下)。
  ビジュアル・テキスト・データをバランス良く用い、全15段の紙面を存分に生かして、強い「説得力」を発揮したことが、読者の声からうかがえます。「説明を何回も読みました」(男性60代)という回答もあり、「読者自身のペースで閲覧できる」というペーパーメディアの特性が、理解促進に役立っていることも確認できます。

“人に伝えたくなる”広告

  「皆に知ってほしい良い広告だと思いました」(女性50代)、「もっと宣伝したほうが良い」(女性60代)。
  「話題性がある」のスコアが高く、自身の驚きや納得、共感を「他者に伝えたい」という意向を持つ読者が多い点も、同広告の特徴です(表1)。清涼飲料水との関与度が高く自動販売機の利用機会が多いと考えられる29歳以下のスコアが高いため(表2)、彼らの情報発信による広告効果の一層の高まりが期待できます。29歳以下については積極的な利用意向もあり(表3)、同広告の訴求が特に効果的な世代だと考えられます。

表2 広告による態度変容

表3 広告商品の購入・利用意向

環境配慮型商品の普及に欠かせない「情報提供」

  環境省グリーン・マーケット+研究会が昨年1月に発表した消費者アンケート調査では、「環境配慮型商品を積極的に購入する」人は1割程度にとどまるとの結果が報告されています。同報告書は、約9割の人が環境配慮型商品の購入に消極的であることの理由として「情報量の不足」が大きいと分析し、それら商品の普及には「環境配慮型商品であることを比較可能な形で消費者に情報提供することが望まれる」と述べています。「ピークシフト自販機」の広告は、まさにこの情報提供の役割を果たしていると言えるでしょう。
  また同報告書には、消費者が飲料・食品について「購入する際に重視していること」の1位が「安全性」(62.2%)、2位が「原材料、原産国」(58.2%)とあります。「環境配慮性」は4.5%に過ぎません(表4)。

表4 商品・サービスを購入する際に重視していること 〈飲料・食品〉

  ただ、「安全性」も「原材料、原産国」も、メディアの報道・世論の高まり・企業努力の発信……という過程を経て、比較的最近、商品選択の重要なポイントとなってきた印象があります。「環境配慮性」も今後、同様にウエートが増していく可能性があるのではないでしょうか。

「これからの消費スタイル」が受容される兆し

  その契機になると思われるのが、2020年東京オリンピックです。招致活動の際に掲げられたコンセプトは「環境を最優先した大会」でした。これからの7年間、わたしたちの社会は今まで以上に「自然と人間の共生」「サステナビリティ(持続可能性)」といったテーマに沿って発展することでしょう。消費行動もまた、それらと無関係ではいられないはずです。
  環境に配慮した「これからの消費スタイル」が既に受容されつつある―「ピークシフト自販機」の広告に対する読者の反応に、その“兆し”を見ることができました。

(堀井葉月)