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Pick up 定型調査

(Mon Aug 05 14:00:00 JST 2013)

SNSやまわりの人への話題喚起力を見せた東京スカイツリータウン1周年広告
東武タワースカイツリー

 SNSなどでの話題の広がりの元はマスメディアであることも多く、新聞広告もその一端を担っていると思われます。今回は話題喚起力の高かった広告として、東京スカイツリーが開業1周年を迎えた5月22日当日の朝刊に掲載された東京スカイツリータウンの全15段多色広告について紹介します。

東武タワースカイツリー

5月22日 朝刊

  東京スカイツリータウンは電波塔「東京スカイツリー」、商業施設「東京ソラマチ」、オフィス施設「東京スカイツリー イーストタワー」の三つの施設を中心に、水族館やプラネタリウムなどが併設されています。広告では、東京スカイツリーのもと公式キャラクター「ソラカラちゃん」と各施設のさまざまな制服のスタッフが勢ぞろいした写真が大きく使われ、1周年の感謝を伝えています。

話題性があって目立つ広告

  広告による態度変容項目のひとつ、「まわりの人と話題にしたいと思った(ブログ、SNSの発信も含む)」が11.8%で、平均の約3倍という高スコアとなっています(表1)。その理由を広告の印象項目で見ていくと、「タイミングがよい」が平均値を30ポイント以上上回っていますが、「話題性がある」はさらに大きい40ポイント以上の上回りである58.6%となっています(表2)。これは平均値の元データ1721件中4位という高スコアです。開業1周年当日というタイミングだけでなく、話題性がより大きく感じられたということがわかります。「とても良い広告と感じる。スカイツリー1年としての宣伝と感謝の気持ちが伝わってくる。色使いも空色でさわやかであり、そびえ立つツリーを引き立てている。またスタッフやキャラクターを並べているところも、気持ちが伝わってくる。まだ行っていないが、是非行ってみたいと思う」(男性40代)という自由回答が示すように、関心の高さが話題性につながっているようです。

表1 広告による態度変容

表2 広告の印象

  印象項目の中で、次に上回りが高いのは「目立つ」の83.3%(平均プラス27.3ポイント)です。広告接触率(広告を「確かに見た」+「見たような気がする」人の割合)は81.1%、そのほとんどを確実に記憶した「確かに見た」が占めているのも、目立つ力が強いことによるものでしょう(図1)。「インパクトのある広告。1周年ということがすぐわかる。ツリーと空の色が抜群に良い」(女性30代)と自由回答にあるように、スカイツリーの大きな写真と「Thank you!」というコピーの簡潔な構成で開業1周年を祝う広告だと一目で分かる点が評価されたのでしょう。

図1 広告閲覧状況

若年層と中高年層それぞれが 「話題にしたい」

  話題喚起力の高かった今回の広告ですが、実際に話題になったかどうかは、SNSなどウェブ上での話題であればデータとして捕捉、計測できます。はじめに紹介した「まわりの人と話題にしたいと思った(ブログ、SNSの発信も含む)」を年代別で見てみましょう(表3)。29歳以下(13.9%)と50代(17.4%)という二つの山ができています。中高年層は家族や周囲の人と実際に話題にする場合が多いでしょう。実際50代の自由回答では「開業して1年が経ったのですね。お友達同士でも話題になりますので、この広告を見て近いうちに行こうという気持ちが強くなりました」(女性50代)というものも見られました。一方、若年層の方の山はSNSなどウェブ上での発信を多く含んでいると考えられます。新聞広告は、ビッグデータとしての分析対象となるウェブ上での拡散、計測不能なリアルな会話発生両方を引き起こす力を持っているといえそうです。

表3 広告による態度変容「まわりの人と話題にしたいと思った(ブログ、SNSの発信含む)」(年代別)

  今回の広告は、タイミングと話題性の高さを生かしてうまく話題喚起のできた好事例です。話題喚起が成功するということは、広告メッセージが広告を直接見た人だけでなく、見た人が話したまわりの人、SNSに書き込んだものに触れた人へと広がっていき、広告効果が相乗的になっていくことを意味します。

(樋口紗綾子)